2024年5月27日月曜日

2085・Copilot+ PCとは

 ローカルでAIモデルを実行可能な新PCを発表

Microsoftが新たに発表したAI特化型の「Copilot+ PC」は、関連サービスと合わせて、LLM(大規模言語モデル)の弱点を補う機能を有しています。
Microsoftにとって「鬼に金棒」となりうる存在です。


Copilot+ PCsは、こちら


Copilot+ PCは、小規模なAIモデルを搭載しており、画像生成や動画のリアルタイム字幕変換(英語のみ)をローカルで実行できます。

また、画面のスクリーンショットが数秒ごとに撮影され、ユーザーが過去にPC上で行ったあらゆる動作を検索できるという非常に強力な機能「Recall」も発表されました。
このPCは、6月18日より販売が開始される予定です。

さらに、開発者が上述のAI機能を手軽にWindowsアプリに組み込んだり、カスタマイズしてより高度な機能を実装できる「Windows Copilot Runtime」も発表されました。
ノーコードによるAI機能の組み込みから、AIモデル・ツールチェーンといった低レベルの実装までサポートしており、幅広い開発ニーズを捉えつつ、Windowsをアプリ開発のプラットフォームとしていく狙いです。


Copilot+ PCに搭載される予定のSLM(小規模言語モデル)「Phi Silica(3.3B)」は、MicrosoftがOpenAIとは別に、独自開発したモデルです。
今回の会議でMicrosoftは他にも、言語モデル「Phi-3-medium(14B)」や画像言語モデル「Phi-3-vision(4.2B)」などをMITライセンスでオープンソースとして発表・公開しており、特にPhi-3-mediumは、日本語の生成品質も高いと話題です。


一方で、ローカル環境で動作するとはいえ、AI機能へ付与されている権限があまりにも大きすぎるとして、Microsoftを批判する声もあります。
例えば、Recall機能では、パスワード等の機密情報を入力する際にもスクリーンショットが撮影され、それがローカルに保存される可能性がありますが、Mozillaの最高製品責任者は、保存されたスクリーンショットがサイバー犯罪者にとっての新たな攻撃対象になると懸念を示しています。

                                                    Microsoft Surface