仮想化とは、今流行の技術です。
サーバーやメモリー、ストレージといったコンピュータの物理的なリソース(資源)を、要求に応じて柔軟に割り振る技術のことで、英語ではvirtualizationと呼び、「実在しないものを実在しているかのように見せる」という意味を持っています。
ストレージの仮想化は、ストレージ専用ネットワークに接続された複数のストレージをまとめ、仮想的なストレージとして提供するもの。
ユーザーは、ベンダーやファイル・システムの違いを意識することなく、必要な容量のストレージを利用できます。
いろいろある『クラウド』
「クラウド」という言葉については,人によって大きく違います。
ある人は「クラウド」をメールやグループウェアなどのコミュニケーションツールのように言いますし,また別の人は「クラウド」を色々なデータを保存するストレージのように言います。
さらにある人は「クラウド」を利用して,数百台のサーバを用意したという人もいます。
パッケージソフトをブラウザで提供するSaaS
SaaS(Software as a Service)は,ソフトウェアをサービスとして提供する形態のことです。今まで,メールやグループウェア,ワープロや表計算などのオフィスソフトなどのソフトウェアはパッケージとして購入して,パソコンやサーバにインストールする必要がありました。
しかし,SaaSはインターネットを通じて提供され,パッケージを購入したりパソコンやサーバにインストールする必要なく,ソフトウェアを利用できます。
SaaSは主にブラウザから操作するアプリケーションなどに多く採用されていますね。
またSaaSのメリットとしてデータをそれぞれのパソコンに入れておくのではなく,インターネット側で保存されるのも大きなメリットです。
たとえば,従来のメールソフトの場合は,メールソフトをインストールしているパソコンでしか受信できませんでしたが,SaaSで提供されているメールサービスであれば,どのパソコンからでもメールを利用できます。
また,データがインターネット側にあれば,複数のデバイスから利用することが可能です。
たとえば,iPhoneのようなスマートフォンやiPadのようなタブレット型のデバイスなど複数のデバイスからデータを見ることができます。
開発環境の提供するPaaS
PaaS(Platform as a Service)はインターネット上でプラットフォームを提供するものです。
このPaaSはSaaSのようにエンドユーザにオンライン上でサービスを提供するのではなく,自社のプラットフォームを外部に解放し,その上にサービスを開発するものになっています。
開発者は,あるシステム設計に沿った方法でアプリケーションを開発できるので,早くシステム開発ができます。
仮想サーバを提供するIaaS
PaaSは,開発プラットフォームを提供してきましたが,IaaSはサービス開発者がサービスの公開に必要な,仮想サーバやネットワークを提供します。
PaaSの場合は,特定の言語やプラットフォームなどの開発はできますが,OSを自分で選択することなどはできません。
それに対して,IaaSはネットワーク越しに仮想サーバを好きな数だけ起動させ,その起動したサーバにインストールできるOSも自分で選択できます。
用意されるサーバはリアルな物理サーバではなく仮想的に用意されるサーバです。
サーバが仮想的に用意されるので,数分で何台も立ち上げることができます。
自分が公開したWebサービスに人気が出た場合は,急いでサーバの数を増やす必要があります。
今まで,自分でサーバ管理をしていたり,ホスティング事業者を使っていた場合,サーバを増やすには,数日から数週間程度の時間が必要でしたが,IaaSで提供される仮想サーバはクリック1つですぐにサーバを起動できます。
一言で「クラウド」と言っても,色々な形態があるんですネ~
コンピュータの世界は進歩が速くて、ついていくのが大変です!